エア接客

普段より少し早く退社したので古本屋へ寄った。
さて、何を買おうか等と物色をしていると、
レジ前には客がいないのに、店員がレジを開けてレジ奥にいるらしい客に向かってお金のやり取りをしている。
気味が悪いと思いつつ、レジ方向をそっと窺うもやはり店員は先ほどと同じような行為をしている。
気になる本を見つけ、その会計処理中にレジの奥に何があるのかと凝視したところ、
どうやらレジ横の本棚により区切られた一角が成人向けコーナーとなっており
エア接客と誤解した店員の行為はそれ専用の会計窓口を通しての接客だったようだ。
幽霊の正体もバレてしまうと切ないものである。
しかし不審がられるほど専用窓口に客が居たという事実から、
その集客能力の正体を見極めておけばよかったと今になって後悔している。